らっこは「仕事の鬼」だけじゃないんだぞ
とばかり、今日は、溜池山王の聘珍樓で
半日ほど、のんびりしてきました。
聘珍樓といっても中華を食べに行った
ワケではないですよ。もちろんおいしい食事は出ましたが…
実は、小伝馬町の「松のじ」さんが毎年
ここで催す着物の展示会に行ってきた
のです。
買いません、買いません(笑)…あくまで
目の保養です。
レストランフロアに架設された畳の上に、
染めの「ふかだ」さん、織りの「ひろた」さんなどの京の老舗や、
全国の工房が自慢の作品を所狭しと並べています。
古代の「羅」を現代に蘇らせた人間国宝、北村武資さんの帯も
あれば、珍しい野生の世界最大の蚕、アタカス・アトラスの繭を
用いた与那国の織物… 奈良や平安時代の文様を再現した
有職織物… これはもう何時間見ていても飽きません。
樋口可南子さんをはじめファンの多い染色作家、品川恭子さん
の品格のある美しい色づかいなどは、眺めているだけで、心が
洗われ、癒されます。
ただ、さすがにこれだけ豪華絢爛な美の祭典…いくら畳の上に
あぐらをかいてのんびり眺めていても、「目の保養」を通り越して
しまい、目が酔ってしまいます。
少し酔いを醒まさなくては…
と探していると、ありました、ありました。店内の目立たない一角
にちゃんと喫煙コーナーがあるじゃないですか。さっそく一服です。
でも、そんな野蛮な行為をしてるのはらっこだけ(笑)
と思いきや、やはり「同好の士」っているものなんですね~
らっこの紫煙に引き寄せられるかのように、ご婦人が一人、
近づいてきました。「どうぞ、どうぞ」とソファの空いている方を
指差し、仲良く並んで一服…
こういうときの会話って、はずむものですね。
聞けば、ロンドンにお住まいで、ご主人はイギリス人とか…
しばしガーデニングや田園の自然環境保護について話が
盛り上がったのち、「ところでご主人はどんなお仕事を?」と
たずねたところ、「ジャーナリストなんですよ」。
元ジャーナリストのらっことしては興味津々…
で、よくよく聞いてみたら、なんとご主人は、William Horsley
らっこの知ってる人でした。BBCの東京特派員として1980年代
には、日本でも活躍。
「えっ、だったらご主人、存じ上げてますよ」と言ったら、今度は
彼女がびっくり。
「じゃ、らっこさんはプレスクラブにもよく行かれるの?」
「はい、はい」
「先日は、何年ぶりかに、Andrew Horvatと食事したのよ」
「Andrewもよく知ってます」
What a small world!…といった感じで、その後の会話は一気に
盛り上がってしまいました。
William Horsleyは、知日派で日本に関する
著作もありますが、最近は大和日英基金の
チェアを務めたり、Association of European
Journalistsの「メディアの自由」部会の会長を
務めたりしておられるとか…
「じゃ今度、ロンドンにいらしたら是非、遊びにいらしてね」
「そうします、そうします」
ま、いろんなところに面白い出会いがあるもんですね。
そんな素敵な場を用意してくれた「松のじ」の沼田さん、近藤さん
ありがとう。そして、ごちそうさま。
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