行きつけの割烹のカウンター…
隣の席に外国人が一人、杯を傾けていて、その姿が結構サマに
なっています。
しばらくすると、彼は「どうぞ」ときれいな日本語で、珍しい芋焼酎を
すすめてくれました。
それをきっかけに話がはずんだのですが、ひょんなきっかけから
お互い若い頃に白隠禅師の書に衝撃を受けたことに話が及んだ
のです。彼は上野の博物館で、らっこは京都の骨董屋でこれに
遭遇… まだ、学生の頃です。
小ぶりの軸物なのに、そこに書かれた「南無阿弥陀仏」の文字が
とてつもなく迫力があり、その場に何時間も立ちすくんでしまった
記憶が急に蘇ってきたのです。
ま、そこから先は酒の勢いもあって、有名な公案「隻手声あり」や
阿倍仲麻呂がいかに素晴らしいか…などなど
しかも、ぜんぶ流暢な日本語で、ですよ。不思議ですね~
※ちなみに「隻手声あり」は「The clap of one hand」として
海外でも結構知られているそうです。
聞いてみると彼はオレゴン生まれのアメリカ人…
それから三日後、その彼からきれいな写真集が届きました。
添えられていたカードの「不思議なご縁ですね」というペン字も
なかなか達筆です。
名前はブルース・ベイリー…
なんと、日本ロレックスの代表取締役社長、でした。
出会いとはほんとうに面白いものです。
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