昨日は、MSC(Marine Stewardship Council)の日本代表、石井さんが
訪ねてきました。1年ぶりの再会です。
http://www.msc.org/
http://www.msc.org/jp/
MSCはロンドンに本部がある非営利団体です。もともとは海洋資源の
乱獲を防ぐため、WWF(世界自然保護基金)とユニリーバが共同で
1997年に立ち上げた組織ですが、1999年に非営利団体として独立し、
国際的な第三者機関として、サステナブルな漁業の普及のため、世界
各地で活動しています。
最近、日本でも新聞やテレビに時折、とりあげられる
この「MSCマーク」、ご覧になったことありませんか?
「海の環境を保全しながら、海産物の持続可能な
利用を実現する」という条件を満たした漁法でとれた
海産物製品についているのがこのマークです。
食の安全性や健康志向が強まる中、食糧としての魚に対する関心が
ここ数年、急速に高まりつつあります。これまで魚に見向きもしなかった
ような国の消費者が魚を食べるようになってきました。
でも、「適切な量」を超えて乱獲し続ければ、海の生き物は減ってゆき、
しまいには将来食べるのが難しくなってしまいます。また、魚を獲る際に
ウミガメ、海鳥、小さな魚など他の生物が巻き添えになるようなことを
避けなければ、豊かな海の生態系が壊れていってしまいます。
このようなことを避けるために、獲ってよい漁獲量や時期、魚の大きさ
などを定めたり、他の生物がかかりにくい漁具を使うなどの取り組みを
している漁業者もいます。
MSCマークは、こうした漁業者が獲った水産物に与えられる証なのです。
消費者がこのラベルの付いた水産物を選ぶこと。それはサステナビリティ
に配慮し、責任ある漁業を行っている人たちを支えることにつながります。
http://www.wwf.or.jp/activity/marine/sus-use/msc/index.htm
こうしたMSCの運動は欧米を中心に世界二十数カ国に広がっていますが、
日本では昨年、事務所がオープンしたばかり。。消費者のあいだでのMSC
マークの認知もまだ低い…というのが現状です。
そうした状況から脱し、MSCマークをいかにして普及させるか、石井さんは
そのあたりのサポートを求めて来社されたわけです。
NPOマーケティングに関するエイコンのノウハウを活用して、少しでも貢献
できればいいなぁと思っています。
* * * * * *
環境保護やサステナビリティで今、思い出したのですが、先週もある人から
相談を受けました。
日本製の割り箸に関する相談です。
地球温暖化対策が叫ばれる中、とかく森林破壊の
元凶とされがちな割り箸ですが、吉野杉や日光杉を
った伝統的な日本の割り箸は端材や間伐材を
用いているので森林破壊につながらないどころか、森林の保護に
貢献しているのに対し、中国産の輸入割り箸は原木を丸ごと使って
作っている。。
だから、森林破壊の元凶は中国産の割り箸であって、国産の割り箸では
ない…という話です。
ふむふむ…なるほど。。
しかも最近では、中国からの輸入割り箸に竹製のものが急増しているが、
竹はカビやすいので防腐剤を使わざるを得ない。だから健康上も大いに
問題があるとか…
それを知ってか知らでか、この竹製割り箸を使うコンビニや外食産業が
増えているのだそうです。
そういえば会社の近くのampmでも、割り箸は最近、すべて竹製に切り
替わりました。
おまけに、国産の割り箸の単価が7円前後であるのに対し、中国産だと
2~3円なので、国産の製箸業者が相次いで倒産に追い込まれている。
「このままだと、安全で環境にやさしい国産割り箸が姿を消し、危険で
森林破壊の元凶である中国産の輸入割り箸が日本を制覇するのは
時間の問題です」… そう説明する彼は悲痛な面持ちです。
もちろん、しっかりリサーチしてみないと、軽々に結論は下せませんが
もし彼の言ってることが本当なら、エイコンとしてもなんとか手助けを
してあげなくては。。
http://www.sanshiro.ne.jp/activity/07/h01/chopsticks2006.pdf
まさに「たかが割り箸、されど割り箸」ですね~
ところで、コミュニケーションやマーケティングと
いう点では、こうしたNPOや環境がらみの案件も、
は民間企業や営利団体のそれをなんら変わる
ものではありません。
基本はまったく同じなのです。
強いて違いを挙げるとすれば、社会貢献型の
プロジェクトの場合、どこか気分も爽やかで、満足感もちょっぴり
余分に味わえる。。。
ま、そんなところでしょうか。。
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