昨日の日曜日もごろごろ。。言い訳じゃないですが、ホントに何ヶ月かぶりの
OFFの週末なんです(笑)
で、またもやうれしい“発見”です。
今度は『未来への提言』シリーズで、ジェフリー・サックス教授と明石康さんの
対談。。
明石さんは言うまでもなく元国連事務次長ですが、Prof. Jeffrey Sachsは、
コロンビア大学地球研究所(Earth Institute)の所長兼国連事務総長の特別
顧問。これまで長年にわたり、世界から貧困をなくすためアフリカなどで活動
してきた経済学者です。名著『Common Wealth』の著者でもあります。
というより、UNDP、Earth Institute、NPOのミレニアム・プロミスの三者が協力
し、日本政府も資金提供している、自助努力によって持続的に発展可能な
インフラづくりを進めているMillennium Village Projectの仕掛け人と言った方
が分かりやすいかもしれませんね。
現在、アフリカ10カ国で79村が「ミレニアム・ビレッジ」となっており、そこでは
井戸の設置、蚊帳供給、肥料供給、保健衛生・教育などの分野での支援を
通じ、貧困撲滅のための“実験”が進められています。
詳細は上の動画(アンジェリーナ・ジョリーも出てきますよ)や公式サイトを
見ていただくとして、らっこが特に関心をもったのは、彼の信念…彼の意志
の力です。
http://www.millenniumvillages.org/index.htm
番組では、それを物語るエピソードが紹介されていました。
2005年3月、ブッシュ大統領がネオコン陣営の要、ウォルフォウィッツを
世界銀行総裁に指名した際に、サックス教授が行った反対演説です。
ブッシュ政権そのものを敵に回しかねない反対演説ですよ。それなのに、
なにものも恐れない毅然とした態度、堂々とした彼の姿勢にはらっこも
心打たれました。
今の日本で、時の権力に真っ向から対峙し、これほど堂々と正論を述べる
ことのできる学者が果たしているでしょうか?
ところで、この対談の中で、1963年にケネディ大統領がアメリカン大学で
行った『平和のための戦略』という演説の素晴らしさに二人とも意気投合
していましたよ。念のため、その結びの部分を引用すると…
The United States, as the world knows, will never start a war. We do
not want a war. We do not now expect a war. This generation of
Americans has already had enough--more than enough--of war and
hate and oppression. We shall be prepared if others wish it. We shall
be alert to try to stop it. But we shall also do our part to build a world
of peace where the weak are safe and the strong are just. We are
not helpless before that task or hopeless of its success. Confident
and unafraid, we labor on--not toward a strategy of annihilation but
toward a strategy of peace.
たしかに、歴代の大統領のスピーチの中でも最も素晴らしいものですが、
単に名演説というだけでなく、この演説を聞いたフルシチョフ首相が心を
動かされ、わずか5週間後には、米英ソの間で部分的核実験禁止条約の
締結が実現したのです。
そのことを指して、サックス教授は「理想というものの持つパワーですね」
と評していましたが、まさに名言です☆
日本も「お金だけ出す」のではなく、こうした「理想なり信念」というレベルで
世界の貧困削減に貢献することができるようになればいいですね~。
最後にもう一つ、サックス教授の言葉を紹介しておきましょう。
「健全な社会には、市場・国家・市民の3つが必要です。市場にも
国家にも自らをチェックする機能がないからこそCivil Societyの
参画が不可欠なのです。この3つのどれか一つでいいという原理
主義は破綻するでしょう」注:なお、ここで言う「市民」とは、NPO、NGO、学者・知識人などを
指しています。
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