認知科学の実験によると、私たちが生きる上で必要な情報の約80%は
目から入ってくるとか… ちなみに、それに続くのは聴覚、嗅覚、味覚、
触覚の順だそうです。
それほど重要な「視覚」ですが、これが実にいい加減なもので、人間の
目って、結構だまされやすいんですよね~
そんなことを考えていたら、金沢21世紀美術館の学芸員から「色や光を
駆使して人間の知覚の仕組みに問いかける作品で知られるエリアソンの
個展を今、やっていて、なかなか面白いですよ~」という話を聞いたので、
さっそく会社の仲間と見に行ってきました。
※オラファー・エリアソン(Olafur Eliasson)はデンマークを代表する現代美術家
開館5周年記念展だけあって、シリンダー状をした建物の大半の部屋が
エリアソンの新作インスタレーションで占められていたのには驚きました。
もっと驚いたのは、その作品です。ま、いろんな仕掛けがあるのですが、
部屋ごとに光、影、色、霧、風、波などの自然界に見られるさまざまな
要素を用いて、実に不思議な空間をつくり出しているのです。
たとえば、「Room for one colour(一色の部屋)」と題した部屋に入ると、
派手なマフラーや同僚のセーターの色まで全てがモノトーンに!
また、ガス状の気体が充満した別の部屋に足を踏み入れると、空間が
ブルーとピンクに仕切られていて、その境目を通過するたびにブルーの
世界になったり、ピンクの世界になったり
さらに、「Object defined by activity(動きが決める物のかたち)」という
部屋では、いくつもの噴水に超高速のストロボを照射しているため、
噴水ではなく、何十個もの水晶玉が空中に静止し、あたかも王冠の
ように浮かんでいるのです…
そんなわけで、とにかく理屈ぬきに楽しいのです。関心のある方は
動画をご覧下い。
http://www.kanazawa21.jp/exhibit/olafur/
それにしても、このデンマークのアーティスト、人間のパーセプションという
ものに対し、結構根本的な問いかけをしているのかもしれません。
とにかく、不思議が一杯詰まった玉手箱の中を覗いたような、眩暈を
覚えて、美術館をあとにしました。不思議なもので、そんな体験の後は
なぜか甘味処に足が向いてしまいます(笑)
金沢は和菓子も実に美味しいのです。
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