夜なべ作業の時は(時こそ?)、コーヒー片手にテレビのスイッチを入れての
一服が欠かせません。カッコよく言えば、「忙中閑アリ」なんでしょうが、要するに
気分転換です。
で、不思議とそんなときにいい番組に当たることが多いのは普段の行いがいい
せいでしょうか(笑)
昨晩もそうでした。
「社会起業家の挑戦」という番組の後編(再放送)だったのですが、同僚とも関係
のあるNPO法人「かものはしプロジェクト」が紹介されていました。カンボジアの
児童買春問題に取り組む学生たちが2002年に立ち上げたNPOです。
http://www.kamonohashi-project.net/about/
問題の背景にある農村の貧困を解決しようと、シェムリアップ州に民芸品工房
を設立し、貧しい家族の現金収入を上げることで、子どもの危険な出稼ぎを
減らそうとしている若者たち… それだけだったらある意味「美談」で終わって
しまうのでしょうが、らっこが感心したのは、そのビジネスモデルです。
農村工房の経営が軌道に乗るまでは、日本のIT事業部やサポーター事業部から
の資金で活動を支えているのですが、特に面白いのはサポーター事業。。
資金だけでなく知恵やスキルを提供したいという若い社会人たちが、それこそ
頼まれもしないのに、集まってきているのです。あるコンサル会社に勤める青年は
「ウェブサイトでかものはしの活動を知り、やってきました」…と、会社帰りに渋谷に
あるかものはしの事務所を訪れ、「こうしたらもっと効果が出るのでは」といった
アドバイスを…
また、営業・企画担当のある女性は、「パンフレットはこうしたらもっと読んでくれる
ようになるのでは…」と、かものはしの会議に参加して発言。。
こうした外部の協力者は全員、自発的に協力しているのです。もちろん無報酬です。
彼らの生き生きとした表情、目の輝きを見ている内にいろいろ考えさせられました。
「最近の若いもんは…」と、若者のやる気のなさを嘆いている大人たちに見せたい
光景です。
コメンテーターの田坂広志氏は、かものはしプロジェクトのビジネスモデルを評して
従来のマネタリー経済とは対照的な、ボランタリー経済すなわち「善意の経済」だ、
と言っていましたが、たしかにそうですね~
そして、一人ひとりの個人だけでなく、自社のノウハウや販売網等を社会のために
提供しようという企業も増えつつある現在、社会起業家と企業との距離が確実に
縮まりつつある… そんな気がします。
企業からすれば「ビジネス」の意味、個人からすれば「働く」ということの意味が
問い直されている。。もっと言えば、生きるということの価値観が大きく変わろうと
しているのかもしれません。
リーマンショックで火がついた世界同時不況騒動が終わる頃には、業界再編と
いった次元を超え、人間の価値観というレベルでの再編が行われているのかも
しれない… そんな予測が「希望」から「現実」のものへとまた一歩近づいた…
あの番組を観てそう感じた人はおそらくらっこ一人ではない。。 そう信じたい
ものです。
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