興味津々のこんなテーマのセミナー
から今、戻ってきました。
なぜか石川県の金沢工業大学が
11年も前から毎年、東京赤坂の
草月ホールで開いているOne-Day
Session。
「ルネッサンス ジェネレーション」と
いうのがシリーズタイトルです。
毎年そうですが、今年も満席です。
聞いたところによると来場者の8割が
リピーターだとか…
人気の凄さを物語ってますね~
今回も知覚心理学と認知脳科学の
専門家、下條信輔カリフォルニア工科
大学教授、そしてアーティストのタナカ
ノリユキの共同司会。。
さて今年のテーマですが、「感情」よりも
深い次元で、人間の行動や意思決定に
影響を及ぼす「情動」… いわば無意識
の領域を支配する「情動」にいろんな角度
から光を当ててみようというちょっぴり大胆
で刺激的な試みです。
それだけにゲストの顔ぶれも異色の面々…
パリのEHESSで精神分析と哲学を
研究し、ジャック・ラカンの研究では
第一人者として知られる精神分析医、
十川幸司が臨床経験も踏まえ、精神
分析の世界における新たな情動への
アプローチから、母子関係、さらには
近年急増している鬱病とSSRIを巡る
製薬会社の思惑まで、情動と無意識の関係という難解な
テーマを縦横無尽に切ったかと思えば。。。
人工知能の専門家でもあり、現在は
潜在マーケティング会社「decode」の
CEOとして、マーケティングの世界でも
注目されているChristian Scheier博士と、
共同研究者でもある下條教授との対談
もあったり。。
ちなみにこの対談は、ニューロマーケ
ティング研究にもとづく広告戦略や
潜在マーケティングにおいて、消費者がどの程度、
コントロールされずに自由を確保できるのかといった
らっこの本業にも関係のある面白い話でした。
さらに、神経生化学と精神薬理学の権威、廣中直行博士
が、系統発生的に古い脳構造におけるプログラムの観点
から、「情動」の神経機構をレクチャーしたり…といった
具合で、聞いている側もまさに脳細胞フル回転。
でもたまには、仕事を離れ、こういう知的空間に遊んで
みるのもいいもんですね。
途中で切り上げて、草月会館の外に出たら、やけに
空がきれいでした。
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